僕が人にカメラを向ける時は、その人を「撮りたい」と思った時だ。当たり前のようだけど、それが一番大事だと思っている。シャッターを切る前には会話をしながら、じっくりコミュニケーションをするようにしている。また写っている人たちは、度合いは違うものの一定の関係性が築かれている。
僕の場合は、写真を撮ることよりも、その人と時間を重ねることと会話をすることが、特に重要なのだ。それがあるからと言って、必ずしも自分でも納得のいく写真が撮れるわけではないけど、僕自身も撮って良かったなと思える写真ばかりだ。それは、この人たちと出会った人生だったのだなと確かめることができるからだ。